現代、コロナウイルスの影響等で休業要請が実施されるなど、雇用などを含め、私生活に大きな影響をもたらしています。
その解決手段として期待を膨らませているのが最低限所得保証の一種であるベーシックインカムです。世界的にも注目を浴びているベーシックインカムは、導入することでこのような景気の悪化を手助けしてくれるものと期待されています。
IT化やAI時代の到来、また、コロナ感染拡大により低所得者層が拡大したことにより、ベーシックインカムがより一層注目されているのです。
では、ベーシックインカムの具体化や導入することでどのような影響を与えるか、詳しく解説していきます。
最低限所得保証の一種「ベーシックインカム」
ここでは、そもそもベーシックインカムとはどういう制度なのか、メリットやデメリットを含めてご紹介します。
ベーシックインカムとは?
世界的に注目を浴びているベーシックインカムは、端的にいえば、
のことです。少し言い換えれば、
「全ての国民が年齢や性別、所得などに関わらず、無条件で定期的かつ継続的に給付金を受け取れる」
というものです。このベーシックインカムにより最低限度の生活ができます。
現代では、コロナウイルスによる経済的不景気から一時的に給付金を受け取れる社会保険制度がありますが、一方でベーシックインカムは、「無条件」そして「すべての国民」に「定期的」に支給されるのが、重要なポイントです。

しかも、申請等の面倒なこともする必要がないんですね。
実際にフィンランドやドイツ、イタリアなどでベーシックインカムが実験されています。
ベーシックインカムのメリット
ベーシックインカムを導入することで以下のようなメリットが得られます。
✔️ 貧困格差の減少
✔️ 働き方の改善
✔️ 自由な働き方ができる
実際に一つ一つ見ていきましょう。
貧困格差の減少
日本は世界に比べて貧困の格差が大きいと言われています。特に子供の貧困が問題視されており、金銭的な面でなく仕事や家事による過度なストレスが蓄積され、身体的な部分にも影響します。
ひとり親となると、育児や仕事含め1人ですべて行うために、将来性ある子供の面倒を見切れなくなり、コミュニケーション能力や学力などが低下するとも言われています。
このような事態において、ベーシックインカムを導入することで、生活に余裕を持つことができ、最低限の生活を受けられるようになるため、お金に不安を持つことなく、同時に少子化にも期待することができるでしょう。
働き方の改善
また、企業の労働環境にも変化が伴います。多くの方は最低限の生活を行うためにどれだけ労働条件や待遇が悪くても働かざるを得ません。
しかし、ベーシックインカムによって支給が開始されると、国民の最低限の生活が保証されますので、無理に働く必要がないために、雇う側の企業は人を集めるために労働環境を改善する必要が出てきます。
介護や子育てで仕事を無理に続けなくても良いのです。
自由な働き方が可能
ベージックインカムの導入により、生活のために遅い時間まで残業したり、掛け持ちで仕事を行うことをする必要がなく、身体面の改善とともに自由な時間を手に入れることができます。
お金に余裕を持つことで、過度な仕事を行う必要がなくなるため、パートやフリーランスなど多様な働き方が可能となり、自分に最適な道を選ぶことが可能です。
ベーシックインカムのデメリット
一方、ベーシックインカムを導入することで考えられるデメリットもいくつか挙げられます。
✔️労働意欲の低下
✔️私生活の変化
✔️財政の確保
労働意欲の低下
「すべての国民」に「無条件」でお金を支給されるベーシックインカムは、最低限の生活を供給する制度ですので、働かなくてもいいという考え方の人が出てくる可能性も十分にあります。
今でこそ、人材が足りていない世の中でモチベーションの低下に加え、仕事の放棄を行なってしまうと、経済が回らなくなってしまいます。
また、自由な働き方によってやりがいある仕事に人が集まり、人気のない業界や職種は更なる人材不足に陥ってしまう危険性も否定できないでしょう。
私生活の変化
ベーシックインカムの導入により、私生活にも影響が出てきます。
もともとの給与に加え、すべての国民に支給が与えられることで、お金を投資に充てたり、事業に役立てたり、貯金をしたりする人もいますが、反対にお金があるからといって借金をしてしまう可能性もあります。
財政の確保
ベーシックインカムの導入において一番ネックとなる問題が、財政の確保でしょう。
毎月一定額を国民に支給しなくてはならないわけですから、莫大な予算を削ってしまうことになります。仮に毎月7万円を国民に給付したとすると、年間で100兆円を超えてしまう計算になってしまいます。
さらには、他の社会保障制度である年金や生活保護制度をなくし、ベーシックインカムに資金をあててしまっても、高齢者の方が黙ることはないでしょう。
また、多額な予算であるために消費税が上がってしまう可能性も否定できません。
ベーシックインカムカムが注目されている理由
ベーシックインカム制度は、およそ200年も前の18世紀末にイギリスの思想家であるトマス・ペインの構想がはじめだと言われています。
以降、日本では数多くの社会保険制度を適用していますが、2020年のコロナウイルス感染拡大に伴い、ベーシックインカムの重要性を再度認識し始めました。
コロナの影響で人の移動やお店の出入りなどが制限されることで経済に大きな打撃を与えています。この影響は日本だけでなく世界にも大きく関わる問題になるため、個人的解決は不可能とされています。
こういった事態においてベーシックインカムを適用することで、生きていくことが難しい多くの国民の生活から守る手助けなることから、ベーシックインカムの必要性が注目されるようになりました。
日本でのベーシックインカム導入の可能性は?
ベーシックインカムの導入を行なった国として、フィンランドやドイツ、カナダ、ブラジルなどが挙げられますが、継続して成功したケースというのはほとんど、見られません。
このような実験結果を見ると、日本では不可能ではないかという見方もできますが、日本では、現在導入されている社会保障や税制が複雑化されてきており、見直さないといけないという議論もあるために、可能性は0%ではないでしょう。
ただ、上記にも挙げている通りベーシックインカムを導入することで莫大な資金がかかりますので、前向きな姿勢は見せていますが、すぐに実行され可能性は低いです。
正式な制度として導入されるため活発な議論が必要であるため、今後の社会保険や税制とともにベーシックインカムの動向について見ていく必要があります。
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