QT(量的金融緩和)という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
経済や投資に興味のある方は、ニュースで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、金融政策の1つ「QT」について、小学生でもわかるようにわかりやすく説明していきます。
※この記事は筆者の独断と偏見による意見です。
QTとは?
QTについて説明していくにあたり、そもそもQTとは何の略でしょうか。
QTとは、Quantitative Tighteningの略称になります。
quantitativeで「量的な、定量」、tighteningで、「締め付け、締結」。つまり、Quantitative Tighteningで、量的引き締めという意味になります。量的金融引き締めとも言います。QTは文字通り「きゆーてぃー」と読みます。
ちなみに、QT(量的引き締め)の対義語は、QE(量的緩和)です。こちらは「きゅーいー」と読みます。QEは、Quantitative Easingの略称です。
量的引き締めと聞いても、どんなものなのかさっぱりわかりませんよね。
そもそもなぜ「量的」というのでしょうか。
それは、中央銀行の保有する資産の「量」に対してのアプローチだからでしょう。量的引き締め「QT」は、中央銀行の資産を縮小させる政策になります。この政策によって、マネー供給量を減らす効果があります。そのため、量的(Quantitative)という表現を使っています。
これまでQTの言葉の意味を紹介してきました。ここからは、QTについて、具体的な内容をなるべくわかりやすく説明していきます。
QTを詳しく解説
上記ではQTの意味についてご紹介しました。では、QTについてもっと深く掘り下げていきましょう。
ここでは、QTの概要や仕組み、QT政策の効果についてご紹介していきます。
QTの概要
QT(量的引き締め)はどのような政策なのでしょうか。
端的にいえば、
少し言い換えれば、中央銀行が保有する資産残高を削減し、市場に出回るお金を減らすという政策のことです。
QTが実際に行われる事例として、2022年5月上旬に米連邦公開市場委員会(FOMC)にて、米連邦準備制度理事会(FRB)がQT実施を決めています。
話を戻します。保有資産の圧縮と先ほど述べましたが、「保有資産」とは誰が保有する資産なのでしょうか。
それは中央銀行です。日本の場合ですと日本銀行、米国の場合ですとFRB(連邦準備理事会・The Federal Reserve Board)となるでしょう。
理事会と銀行どちらもFRBというのですごくややこしいですよね。この記事では、あまり考える必要はありません。
この中央銀行の保有する資産を圧縮する政策がQTなんです。
QTの具体的な仕組み
QTの意味する「保有資産の圧縮」とは、具体的にどんなことをするのでしょうか?QTの具体的な仕組みを紹介しましょう。
簡単に言えば、
逆に、QE(量的緩和)とは、中央銀行が国債等をたくさん買い入れることで、市場に資金を供給量を増やす金融政策のことです。量的緩和によって、中央銀行は国債等の金融資産が増えていき、バランスシートも拡大します。
今回のテーマである「QT(量的引き締め)」は、QE(量的緩和)の反対のことをしていると言えるでしょう。
さて、資産の減らし方(圧縮方法)は大きく2つほどあると考えます。
2 : 「国債等を売却する」方法
これらの方法によって、中央銀行の持つ保有資産を減らしていくのがQTの中身になります。
では、QTを実施することにより、どのような目的や効果があるのでしょうか。
QT政策の目的と効果
QT政策を採用する目的は、「景気の過熱やインフレを抑制すること」です。
インフレとは物価上昇のことですが、物の値段が上がることにより通貨の価値は下がります。
インフレにより物の値段が上がるので、企業の売上は伸びます。
企業の売り上げは、単純計算で「商品単価×購入量」で算出できるとすれば、インフレにより単価が上がるので売上も増えますよね。売上が伸びることで利益も増え、結果的に社員の給料も上がります。
個人の持つお金が増えるので、購買意欲も増します。これがいわゆる良いインフレですね。
しかし、インフレが過度に進みすぎたらどうでしょうか。原材料費が高騰し、商品の値段に転嫁できなくなると、物価の上昇に給料がついていけず、経済が不安定になるでしょう。これが悪いインフレです。
そこでQTを実施することで、過度なインフレを抑制していきます。
では、QTを実施することでどのような効果があるのでしょうか。
QT政策によって、市場に出回るお金が減り、通貨の価値が高まるので、金利が上昇します。金利が上昇することによって、お金を借りにくくなり、企業活動は消極的になります。それにより物への需要が減り、物の価値が下がり、物価を安定させようというものです。
このように、最終的に物価を安定させる効果があると言われています。
まとめ
QT(量的引き締め)についてなんとなく理解できましたでしょうか。
QTとはQuantitative Tighteningの略称で、中央銀行の保有資産を圧縮することで、市場に出回るマネー供給量を減らす政策でしたね。QT実施により、物価を安定させる狙いがありました。
ただ、QTによって必ず物価が安定するかと言われたら、実はそうではない、不明瞭であるといった意見もあるようです。
もっと詳しく理解したい方は、ぜひQTについてもっと調べてみてください。
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