貨幣性資産と費用性資産の違いをわかりやすく解説!

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資産は、「貨幣性資産」と「費用性資産」の2つに区分できます。

この記事では、貨幣性資産と費用性資産の違いをわかりやすく説明します。

初心者でもわかるように噛み砕いてご紹介いたします。

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企業活動の流れ

貨幣性資産と費用性資産の違いを明確にするには、企業活動の流れを理解する必要があります。

そこで、初めに企業活動の流れを簡単に説明しましょう。

企業は、以下の3つの活動を繰り返し行なっています。

▷お金を集める (財務活動)
▷投資をする  (投資活動)
▷利益を出す  (営業活動) 

この3つの活動を通して、企業は持続的に成長していくんです。

お金を集める → 投資をする → 利益を出す

この流れをイメージしてください。企業はこの3つのことしかしていません。とても簡単な仕組みですよね。

企業の3つの活動

お金を集める(財務活動)

まずは、お金を集めることから始まります。お金がないことには、設備を買えませんし人も雇えません。パソコンや事務用品も買えません。商品を作ることもできません。

そこで、企業は、2つの方法でお金を集めます。

金融機関等からお金を借りる方法と「株主から資本金を調達する方法の2つです。

ちなみに、金融機関等から借りたお金のことを他人資本、株主から調達した資金を自己資本と呼びます。

借金することは悪いことだと両親から教えられますよね。でも、借金しないとビジネスなんて始められません。

借金は決して悪いことではありません。ビジネスを始めるには、お金が必要です。

財務諸表を見ればわかりますが、どの企業も借金しています。企業活動は、この「お金を集める」ステップから始まります。

投資をする(投資活動)

お金が集まったら次は投資をします。

投資と聞けば、株式投資や不動産投資などを思い浮かべるかもしれません。

しかし、ここでの投資は主に、工場や機械、倉庫、サーバーなどの設備やパソコンやプリンタ、事務用品などの備品の整備だと捉えてください。

設備が整ってないと商品を作れません。そういった環境の土台を投資によって整えるんです。

利益を出す(営業活動)

設備等の環境が整えば、次は利益を出す活動になります。

お金を調達して投資を行い、その投資により整備した設備等を利用して、次は商品やサービスを作り、顧客に売ります。ここで初めてお金が入ってきます。

企業は、このサイクルお金を集める→投資する→利益を出す)を繰り返すことで、企業は成長を続けています。

貨幣性資産と費用性資産との関係

話がだいぶ逸れましたね。

なぜ「企業活動の流れ」の話をしたかというと、貨幣性資産と費用性資産の違いがこの中にあるからです。

結論から言います。

💡結論

貨幣性資産・・・投資する前段階の資産と利益を出した後に発生する資産

費用性資産・・・投資の回収前の資産

説明が難しいので、下の図をご覧ください。

どこの段階にある資産かによって判断できます。(ざっくりとした筆者独自の判断基準です。)

投資してから利益を出すまで(回収するまで)の段階にある資産費用性資産と言います。また、それ以外の段階にある資産を貨幣性資産と言います。

では、本題である貨幣性資産と費用性資産の説明に入ります。

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貨幣性資産とは

貨幣性資産とは、将来現金化・資金化される資産のことです。

貨幣と同じような扱いのものです。現金そのものや現金にすぐさま変換できるもの貨幣性資産になります。

貨幣性資産は、既に投資の回収が終わったあとの資産です。

なぜなら、もし投資の回収ができていなければ、それはすなわち投資の途中ということであり、成果物が手に入らないからです。

成果物である現金や現金にすぐさま変えられるものになって初めて貨幣性資産なんです。

貨幣性資産とは、利益を出したことによって得られた資産といっても良いかもしれません。

純粋な資産、企業活動の結果として得られた最終的な資産です。この後、さらに仕訳により費用に組み替える必要はありません。

貨幣性資産に分類される資産(例)は下の通りです。

貨幣性資産の一覧

貨幣性資産のイメージを膨らませるために、下に列挙してみましょう。

✔️貨幣性資産の例

  • 現金預金 
  • 売掛金 
  • 受取手形 
  • 貸付金 
  • 立替金 
  • 有価証券 
  • 未収収益 
  • 差入保証金 
  • 繰延税金資産

例えば、売掛金受取手形などは商品が売れた時に手に入る資産ですよね。

企業にとって、毎回の取引で現金でやりとりしていたら、とても煩雑ですし管理が大変です。

売掛金や受取手形は現金での煩雑なやり取りのコストを軽減するためのものですので、ほぼ現金と言えます。あとは、これらを現金に変えるだけです。

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費用性資産とは

費用性資産とは、将来費用となっていく資産のことです。

つまり、投資していてまだ回収されていない資産のことを指します。基本は、回収した際に費用に変わっていきます。

建物や機械、工場も、商品の製造や設計で役立ちますよね。企業の利益拡大に貢献する可能性もあります。

しかし、まだ投資段階であるため、支払や次の投資に使うことはできません

費用性資産(例)は次の通りです。

費用性資産の一覧

費用性資産のイメージを膨らませるために、下に列挙してみましょう。

✔️費用性資産の例

  • 商品
  • 製品
  • 棚卸資産
  • 建物
  • 車両運搬具
  • 機械装置
  • 前払費用
  • 無形固定資産
  • 繰延資産

例えば、商品製品は売ることが目的ですよね。

売ることによって収益として計上されます。つまり、商品や製品を在庫として持っているということは、まだ売れていないということなのです。

このような状態を投資の回収前といいます。

資産ではあるものの、商品・製品を顧客に売らなければいけない、まだ投資して回収されていない資産です。

商品・製品を売った時は、売上原価(費用)として計上されますよね。

商品が売れたときの仕訳(例)は、以下の通りです。

現金(200)      売上(200)

売上原価(100)    商品(100) 

商品が売上原価(費用)に変わています

商品は、まだ利益を出す過程です。商品が売れることによって、初めて売り上げが計上されます。それと合わせて売上原価という費用が計上されています。

商品が売上原価(費用)となっていますので、費用性資産といいます。

建物ではどうでしょうか。建物などの固定資産を購入するのは「投資活動」になります。

そして、建物は毎年、減価償却することになります。減価償却費(費用)を計上するため、建物は費用性資産になります。

建物や機械を購入するのは、「投資活動」に当てはまります。

建物を買うことが最終的な目的ではなく、建物を使って商品やサービスを作り、顧客に売って利益を出すことが目的です。

そのため、投資回収されていないので費用性資産ということになります。

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まとめ

貨幣性資産費用性資産の違いがわかりましたでしょうか。

貨幣性資産は将来において現金化・資金化される資産のことです。すぐに現金に変えることができます。また、企業の「利益を出す」活動の成果として得られる資産や投資前の資産です。

費用性資産は、投資途中の資産のことです。そして、回収される時には、費用として計上されます。売上原価や減価償却といった感じです。

理屈がわかれば簡単に理解できると思います。ぜひ、自分なりのイメージができるまで繰り返し読んでみてください。

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