先物理論価格とは?計算方法をわかりやすく解説【証券用語を徹底解説】

お金・投資

先物取引において、その取引価格が割安か割高かを判断するために用いる基準となる数値が先物理論価格です。投資家は市場でより多くの利益を得るためには、できるだけ正確に相場を分析しなければいけません。

先物理論価格とは、現物価格に金利などの調整を行なった理論上の将来価格のことです。少し言い換えてみると、現物価格から将来のある時点までの間の金利や配当利回りの影響を考慮して計算される先物価格のことです。

この記事では、初めて「先物理論価格」という言葉を聞いた方向けに小学生でもわかるように、先物理論価格の計算方法とその計算式の表す意味について分かりやすく徹底解説します。

先物理論価格とは?

冒頭にも記述していますが、先物理論価格とは、将来のある時点における価格のことで、現在価格に現在からその将来時点までの間で発生する配当や金利などの調整を行なって算出される将来価格のことです。

現物価格と先物価格が常に全く同じになることはありません。なぜなら、先物価格とは端的に言えば「将来のある時点の価格」のことで、現物価格とは「現在の価格」なので、現在から将来のある時点までの間に発生する物事を考慮しなければならないからです。

先物価格と現物価格の差のことをキャリーコストといいます。キャリーコストは持ち越し費用とも言われており、現物を将来のある時点まで保持していた場合にかかる費用のことです。つまり、現在から将来のある時点までの間に発生する物事を表す価格ということです。

ここでキャリーコストに関わってくるものとして短期金利と配当金があります。現物価格に、短期金利と配当を考慮して算出された価格が先物理論価格になります。

先物理論価格の計算方法

先物理論価格の計算方法ですが、現物価格に短期金利と配当を調整して求めることができます。

計算式は

先物理論価格 = 現物価格 × { 1 + (短期金利−配当利回り)× 満期までの日数/365 } ※短期金利と配当利回りは年率

になります。ここで、「満期までの日数」は「SQまでの日数」ともいいます。先物取引には期限があるので、その最終的な決済期日のことです。この計算式をみても意味が分かりませんよね。因数分解をしてみましょう。

先物理論価格 = 現物価格 + 現物価格×短期金利×満期までの日数/365 − 現物価格×配当利回り×満期までの日数/365

となります。つまり次のように表せます。

先物理論価格 = 現物価格 + 短期金利 − 配当金

先物理論価格は、現物価格に短期金利を加えて配当金を除けば算出できます。

なぜ、短期金利を足して、配当金を引くのか疑問に思いませんか?これから詳しく説明しましょう!

短期金利との関係性

短期金利を加える理由は、先物取引の場合に将来のある時点での取引までの間、現金を所有できるためです。先物取引は将来の取引であり、一定期間を超過したあとに精算する取引です。従って、取引時点から精算時点までの間における金利分、先物価格は上昇します。

つまり、将来の取引時点までは、現金を自由に使える状態です。短期金利の恩恵を受けることが可能なので、短期金利分をプラスするのです。

配当利回りとの関係性

先物取引の場合、将来に購入することを約束しているだけで、実際に株式を持っているわけではないので配当金を受けることができません。逆に、現物取引では配当金を受けることができます。

現物価格(現在の価格)は、配当を受け取れること前提で価格が決まっています。そのため、配当金の分、先物価格は安くなると考えられるのです。

例題〜実際に簡単な問題を解いてみよう!〜

では、実際に先物理論価格を求める問題を解いてみましょう。とても簡単に解けるのではないでしょうか。

Q.問題文

ある現物資産の価格(現物価格)が2,000円、短期金利が5%、配当利回りが3%で先物の期限日まで219日とした場合、株式の先物理論価格を求めなさい。ただし、委託手数料と税金は考慮しない。

A.回答

2,000 + 2,000×0.05×219/365 – 2,000×0.03×219/365 = 2,000 + 60 – 36 = 2,024

先物理論価格 2,024円

現物価格から短期金利分を加えて、配当分を除くことによって、先物理論価格は算出されます。

まとめ

この記事で解説してきた先物理論価格についておさらいしていきましょう。

先物理論価格とは

  • 将来のある時点における価格のこと
  • 現在価格に現在からその将来時点までの間で発生する配当や金利などの調整を行なって算出される将来価格のこと

先物理論価格の計算式

  • 先物理論価格 = 現物価格 + 現物価格×短期金利×満期までの日数/365 − 現物価格×配当利回り×満期までの日数/365
  • 先物理論価格 = 現物価格 + 短期金利 − 配当金

配当金よりも短期金利の方が高い場合、先物価格の方が現物価格よりも高くなります。このように先物価格が現物価格よりも高くなることを「先物がプレミアム」といいます。

逆に、配当金よりも短期金利の方が低い場合、先物価格の方が現物価格よりも安くなります。このように先物価格が現物価格よりも安くなることを「先物がディスカウント」といいます。

この記事で解説した先物理論価格ですが、先物取引を行う上で知っておくべき基本事項だと思います。ぜひ理解を深めてみてください。

ヒューコ総合研究所

 

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