知的財産権がなくなったらどうなる?3種類の知的財産権も徹底解説します

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人間の生み出すアイディア、技術上のノウハウなどには財産的な価値があり、その価値を真似たり、偽装し悪用したりすることを防ぐために知的財産権があります。

知的財産権には主に著作権・産業財産権・その他の権利の3つに分けられます。ビジネスだけでなく、社会を生きていく中で非常に重要な要素としてITパスポートでも出題されます。
→「ITパスポートの内容はIT技術だけじゃない!?会社の経営戦略やマネジメントも

本記事では、知的財産権の種類や必要とされている理由、意外と知らない知的財産権によって保護されているものなど、詳しく解説していきます。

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知的財産権とは

知的財産とは、名前の通り人の知恵から生まれた形のない財産であり、ビジネスを行う上でも非常に重要な経営資源の一つにあたります。

ここでは、知的財産権である以下の3つの種類についてご紹介していきます。

  • 著作権
  • 産業財産権
  • その他権利

著作権

著作権は、簡単にいうと創作物に対する権利です。例えば、みなさんが聴いてり見たりしている音楽や映画などが著作権にあたります。

著作権は、産業財産権とは違って申請する必要はなく、創作した時点で著作権が発生します。

ノートに何かしら絵を描けば著作権が発生するといったような感じです。

著作権は悪用して侵害するといったケースも多いのですが、実は知らないうちに著作権を侵害していたケースもかなり多いため、社会を生きていくためにも著作権を理解すべきだと言えるでしょう。

主に以下のものが著作権として保護されているものです。

  • 本や論文
  • 音楽
  • 写真や映画(映像)
  • 絵画や建築物などの美術作品
  • プログラムやデータベース
  • 取扱説明書

著作権と聞いて皆さんが思い浮かべる映画や音楽、写真等はもちろん著作権の対象ですが、実はプログラムやデータベースなども著作権に該当するんです。

近年では、YouTubeショートが流行っており、他のユーチューバーが撮影した映像をショートにすることで収益を得ている人もいます。

このようなものも著作権の侵害に当てはまるため、訴えられると法律上裁かれてしまう可能性も十分ありますので、気をつけてください。

取扱説明書を含め、このようなものは著作権に該当するものであり、あまり知られていないものも含まれるため、知らないうちに悪用してしまったというケースも少なくありません。

産業財産権

産業財産権と知的財産権は全く別のものと捉える方も少なくないのですが、産業財産権は知的財産権の一種であり、主にビジネスで使用されることが多い権利の一つになります。

著作権とは違い、産業財産権を得るためには申請が必要となり、その対象となるのが、個人ではなく企業です。

新しい技術やデザインなどに独占権を与えることによって発明した企業の価値そのものを守る特許庁が管轄する権利で、主に特許権実用新案権意匠権商標権の4つに分類されます。

特許権 技術上で発明されたものを保護する権利
実用新案権 商品などの構造や形状などを保護する権利
意匠権 商品などのデザインを保護する権利
商標権 商品などのマークを保護する権利

これらの権利は、管轄している特許庁に出願することで、一定期間独占的な権利のもと保護される仕組みです。逆に言えば、その有効期間が切れてしまうとサービスやアイディアが利用できるようになります。

ただ、商標権は消費者や企業側に不利益をもたらさないためにその期間を無期限に更新することができます。

その他の権利

知的財産権は、上記に述べた著作権や産業財産権がある一方で、その他の権利として営業秘密も含まれます。

企業が技術上役立つデータやマル秘と記載されている資料の提示もが企業秘密の一つです。このような営業秘密を守るために制定されたのが、不正競争防止法

これは、不正な競争によって利益の妨害が起こるのを防ぎ、正当な営業で公正な競争を確保することを目的としています。
経済産業省ホームページ

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知的財産権はなぜ必要か

知的財産権に限らず、自由権や社会権、物権などこの世の中には様々な権利があちこちに存在しています。

もし、知的財産権がなかったら…

流行しそう、すでに認知されている商品やサービスは自社の売り上げを上げるためにも模倣したいもの。

そんな中で知的財産権が存在していなければ、個人や企業に限らず、考案し発明したサービスや商品の価値をなくし、利益が分散してしまうことで、利益を独り占めすることが不可能になります。

さらに、利益だけではなく開発や考案によって高めたブランド力誇り名誉まで失ってしまい、技術者としてのやりがいがなくなってしまう可能性も生じます。

ゆえに、創作者や企業の知的財産は努力の正当な財産として保護される価値があるんです。

 

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