時代の流れに適した新ビジネス「サブスク」。人気の理由や成功の秘訣を徹底解説。

近年、多くの企業が取り入れている新ビジネス「サブスク」。サブスクとはサブスクリプションの略語であり、雑誌の定期購読などが語源とされています。

注目のビジネスモデルということもあり、具体的な内容は知らないが、名前は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなサブスクビジネスの仕組みやどんなメリット・デメリットがあるのかなど、わかりやすく解説していきます。

新時代のビジネスモデル「サブスクビジネス」とは

日本は既存のビジネスモデルからの脱却が遅れている、新しいサービスに慎重性があるなどから世界に比べて遅れている状況下にあります。サブスクビジネスもその一つです。

しかし、今やサブスクビジネスは日本中に認知され始め、利用者も急増し始めているのが現状。なぜ、サブスクという定額制サービスのビジネスモデルが飛躍したのでしょうか。

意外なところでも展開されているサブスクビジネス

1. サブスク（サブスクリプション「subscription」）は消費者にモノやサービスを一定の期間供給し、その対価として定額料金を払ってもらうという「B to C」「B to B」ビジネスです。

要は、時代はIT化の加速などで進化しつつあることから、物の購入ではなくモノやサービスの利用という価値観の変化に対応したサービスになります。

NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービス、LINE MUSICやApple Musicなどの音楽配信サービスもサブスクビジネスの一つです。

さらには、あまり知られていないのですが、実は飲食店やスーパーなどでも積極的にサブスクビジネスを取り入れ始めています。

月額制/定額制とどう違う？

注目を集めているサブスクですが、定額制と同じだと思われている人も少なくはないでしょう。

定額制サービスは、固定料金を支払ってもらうことで同一の商品を提供するといったビジネスモデルです。一定のサービスで品質が変わらない定額制サービスでは、購入してもらうことが最終目的に過ぎません。

そのため、購入後の解約などから安定した売上を保ことは難しいとされます。

対して、サブスクビジネスでは顧客の満足度を重点的に捉えたビジネスだと言えるでしょう。定額制サービスが顧客満足度に見合っていないというわけではありません。

しかし、顧客データからニーズを把握して金額プランやオプション、アップデートなどで既存顧客の維持と新規顧客の獲得を同時並行できるサブスクの方がより顧客満足を意識したビジネスモデルであると言えます。

顧客を理解することで時代に沿った、時代を超えたサービスを顧客が求めているニーズに進化させ続けることができるんです。

サブスクビジネスを行うメリット

安定した継続的売上を得ることが可能

サブスクビジネスの最大の魅力が、継続的な売上。契約をしているユーザーが急激に減らない限り、安定した売り上げを保ことができます。

そのため、リスクを抑えながら経営を進められることができ、アップデートや新規事業の期間も設定しやすいのが特徴です。

新規ユーザーの獲得で売り上げ増加

サブスクは一定料金でモノやサービスを利用できることからユーザーに対しても非常にお得感のあるビジネスモデルから気軽に契約することが可能なため、新規ユーザーの獲得に繋がりやすいです。

しかし、このビジネスモデルはますます多くの企業が導入していくでしょう。そのため、金額のハードルの低下やバリエーション変化などの付加価値をつけることで新規ユーザーの獲得が難しくなってくるかもしれません。

業界問わず、新規参入しやすい

Netflixなどの動画配信サービスをはじめ、近年では飲食店やアパレルなど多くの業界がサブスクビジネスへと参入してきています。

今はアニメや映画などの動画配信サービスや音楽などの認知度が高いですが、消費者にとってはサブスクは当たり前のサービスへと進化してきているために、あらゆる業界が参入しやすい状況にあると言えます。

利用者層の把握などからデータやサービス、プランなどのアップデートができる

従来のビジネスモデルでは難しかった顧客データの把握も今は当たり前に把握できるようになり、売上の予測や経営状況の理解がよりスムーズになってきています。

そのため、顧客のデータから金額設定やサービスプランの変更、新たなオプションの追加など、従来よりも適当な期間でアップデートをすることができます。

アップデートから顧客満足度を高めることで既存顧客の維持や新規顧客の開拓の実現化を目指せます。

顧客データから新規事業への拡大の可能性

サブスクビジネスから顧客データを分析することで、なんの分野において層が集まっているかを把握することができ、新たなビシネスの展開を拡大させることもできます。

サブスクビジネスを行うデメリット

初期費用も合わせてコストがかかる

サブスクビジネスを行うにあたって商品やコンテンツを用意し、顧客満足に適したサービス（システムやツール）を備えていく必要があります。

また、ユーザーが少なくても質が高いサービスを提供し続けなければいけないために、売上とは反対にコストがかかってしまいます。

さらには、金額のプラン変更や新たなコンテンツ、サービスの導入などからコストはかかるが、売上がないという最悪な事態になりかねません。

利益を得るのに時間がかかる

サブスクはユーザーあってのビジネスモデル。ユーザーを得るまでは売り上げを伸ばすことはできません。サブスクビジネスを開始するにあたって重要なのは、どのように集客するかということになります。

また、ビジネス開始当初はユーザーが少なく利益が出にくい傾向も考えられるため、行うサービスのメリットや特徴を消費者に認知し、ブランド力を向上させる必要があります。

継続的なサービスの改善が必要

サブスクの特徴は、消費者のニーズにあったサービス提供から顧客満足度を向上させること。サービスの品質に変化がなければ、それは従来の定額制サービスに過ぎません。

サブスクビジネスでは顧客データなどの把握が可能になるため、サービスの改善が必要不可欠になってきます。サービスの改善にはさらにコストがかかってしまう可能性が高いですので、データや会社の財務情報の把握からしっかりとした準備が必要になってくるでしょう。

サブスクを行う分野や形態においての市場を把握・分析しなくてはいけない

サブスクに限らず、ビジネスを行う上で重要なのが市場の分析。

現時点での消費者スタイルはなんなのか、どのようなサービスをサブスクの利用で変化させていけるのかなど、実際に顧客満足度を向上させるために行っているサービスをビジネス視点だけではなく、より消費者視点としての把握も必要不可欠です。

今後のサブスクビジネスの需要は？

既存のサブスクビジネスが顧客満足度を意識したサービスの改善などに勤め、より良いコンテンツを提供している一方で、さまざまな業界がサブスクビジネスに新規参入してきています。

2023年にはサブスクの市場規模が「B to C」「B to B」合わせて6兆円にまで跳ね上がると言われているほど。

サブスクという言葉を知らなくても、実際に利用したことがある方は非常に多いです。今後、より多くのサブスクが消費者へと浸透させることとなり、ものが増えない暮らしやすい社会へと変化させていくこととなるでしょう。