パリティ価格とは?【証券用語を徹底解説】

スポンサーリンク

資格の勉強や大学の授業で転換社債型新株予約権付社債(転換社債)について学んでいる際に、パリティ価格について疑問に思ったことはありませんか。

今回の記事では「パリティ価格」という言葉の意味を理解できるように、できる限りわかりやすい表現で解説していきます。

この記事を読めば誰でもパリティ価格をマスターできます。※この記事は著者の解釈で説明しています。一つの捉え方として参考にしていただけるとありがたいです。

スポンサーリンク

パリティ価格を簡単に説明!

パリティ価格は端的に言うと、

転換社債を購入した時の額面100円あたりの発行価格100円に、今現在の株価の状況を反映させた価格

のことです。

パリティ価格を求める公式

パリティ価格(円) = 株価/転換価額 × 100

パリティ価格を求める公式は、こちらの企業年金連合会の記事を参考にしました。

パリティ価格|用語集|企業年金連合会
厚生年金基金、確定給付企業年金のある企業を短期間(10年未満)で退職した方に年金給付を行っています。旧厚生年金基金連合会。

転換社債購入時の債券発行価格100円から、現在における株価を考慮して調整した価格です。

転換価額に対する現在の株価の割合を掛けることでパリティ価格を求めることができます。

スポンサーリンク

パリティ価格の本質をわかりやすく解説!

転換社債型新株予約権付社債とは、債券として一定期間ごとに決められた利息を受け取ることができ、また、途中で債券から株券に転換する権利も持っている社債のことです。

株式に転換した場合、債券としての役割は消滅して株式に変わります。

一般的に転換社債の発行価格は額面100万円あたり100万円です。この「額面」とは期間満了後に償還されるお金のことです。

つまり、額面100万円ということは、仮に5年後にお金を返す約束だとすれば5年後の償還期限の日に100万円戻ってくるということになります。

通常、債券価格は額面100円あたりを単位として表現します。額面100万円あたり100万円なので、額面100円であれば、発行価格は100円ということになります。5年後に100円戻ってくる債券を100円で購入したという意味です。

今回の設定は転換社債なので、転換価額もあらかじめ設定しておく必要がありますね。

転換とは、債券から株券への移行のことを表します。転換価額とは、債券を株券に移行する際の1株あたりの金額のことです。

例えば、転換価額が1000円なら、会社が新株予約権を行使したとき、その株を1000円で手に入れることができるということです。

この転換価額1000円の決め方にはルールがあります。それは「募集開始前の一定の日の株価終値を基準として、それより低い株価で決めなければならない」ということです。

イメージとしては、「転換社債発行時のその会社の株価よりは高く設定しなければいけませんよ。」というようなところでしょう。

発行時の株価よりも転換価額が安かったら、わざわざ転換社債を買わずに直接株を買った方が良いからです。

ここで注意が必要なのは、「転換価額はあくまでも『発行時の株価』より高い価格に設定しなければいけない」という点です。

発行時なのでしばらく経過して株価が下がってしまった場合、権利を行使して株券へ転換したらどうなるでしょうか。

もちろん現在の株価よりも高いお金を払って株券を購入しなければならなくなります。転換価額は固定で、発行前に設定されてからは変更できません。

債券発行時はこの債券には100円の価値がありましたが、株価が下がってしまった今、債券価値はどうなっているでしょうか。当然下がっていますよね。

果たして今現在の債券価値いくらなのか。これを表したのがパリティ価格です。

スポンサーリンク

パリティ価格の計算方法

冒頭でも紹介しましたが、パリティ価格の計算方法は以下の公式です。

パリティ価格(円)=株価/転換価額×100

もともと転換社債の発行価格は100円です。転換後の取得株数は、社債の購入時点で既に決まっているので不変です。

転換価額に対する株価の割合分、債券価値は上昇します。転換価額よりも現在の株価が高ければ高いほど、転換すれば有利になるからです。

つまり、パリティ価格とは、債券発行価格100円から転換価額に対する現在の株価の割合分を掛け算し、調整した額になります。

ここからは、実際に具体例を挙げていくよ!

事例)転換価額が1600円の転換社債を100円で購入しました。そして、購入後1年が経った現在の株価が2,400円だったとすると、パリティ価格はどうなるでしょうか。

答えは、 

パリティ価格 = 2,400 / 1,600 × 100 = 150円

となります。100円から株価調整をした結果、150円の価値になったということです。

スポンサーリンク

まとめ

今回は、パリティ価格についてご紹介してきました。

計算式

パリティ価格(円)=株価/転換価額×100

パリティ価格とは、転換社債を購入した時の額面100円あたりの発行価格100円に、現在の株価の状況を反映させた価格のことを言います。

理屈を理解して問題を解いたり、授業を受けることで定着度が全く違います。分からないまま放置しないよう整理してみてください。

 

 

 

コメント