被投資企業の純資産額に基づく額とは?わかりやすく解説【資産の測定】

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「討議資料 財務会計の概念フレームワーク」の資産の測定の一つに「被投資企業の純資産額に基づく額」という測定値があります。

測定値には、さらに「取得原価」や「再調達原価」、「正味実現可能価額」、「割引価値」、「入金予定額」が挙げられるでしょう。

これらの中で最もわかりにくいのが、今回説明する「被投資企業の純資産額に基づく額」ではないでしょうか。

そこで、この記事では、資産の測定値の一つである「被投資企業の純資産額に基づく額」についてわかりやすく説明していきたいと思います。

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資産の測定とは?

今回説明していく「被投資企業の純資産額に基づく額」は「資産の測定」の1つになります。では、資産の測定とは、いったいどういう意味でしょうか。

この点について、「討議資料 財務会計の概念フレームワーク」では、次のように定義されています。

▷ 財務諸表における測定とは、財務諸表に計上される諸項目に貨幣額を割り当てることをいう。
(第4章2項 抜粋)

つまり、資産を金額の大きさで表すことです。例えば、保有する建物は5000万円。保有する棚卸資産は50万円。売掛金は400万円。このようにいくらの価値があるのかを算出することだと思っておけば良いと思います。

この価値の測定方法の一つが「被投資企業の純資産額に基づく額」になります。

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被投資企業とは?

被投資企業とは、子会社のこと。逆に、投資企業親会社のことだと思ってください。

正確には、子会社以外にも、関連会社なども被投資企業といえるでしょうが、ここではわかりやすくイメージしてもらうために、子会社だと捉えてもらえれば理解しやすいかと思います。

被投資企業は、直訳すれば、投資される企業ということです。

では、ベンチャー企業が大手企業に投資するのか。大手企業がベンチャー企業に投資するのか。どちらが多いでしょうか。

おそらくニュースでよく聞くのは後者ですよね。大企業がベンチャー企業に出資するニュースが頻繁にあります。

イメージとしては、大きい会社はお金があるから小さい会社に投資(出資)する。投資は、お金があるからできることですよね。これと同様で、大きい会社である親会社が小さい会社である子会社に投資しています。

話が脱線しましたが、被投資企業=子会社投資企業=親会社だとイメージしてもらえれば良いでしょう。

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「被投資企業の純資産額に基づく額」の定義

では、いよいよ本題に入りましょう。財務会計の概念フレームワークでは、次のように定義されています。

被投資企業の純資産額に基づく額とは、被投資企業の純資産のうち、投資企業の持分に対応する額をいう。
(第4章28項 抜粋)

被投資企業や投資企業が少しイメージしにくいので、子会社と親会社に置き換えてみましょう

すなわち、被投資企業の当資産額に基づく額というのは、子会社の純資産のうちの親会社の持分に対応する額(純資産)のことです。

この測定値の意味について、財務会計概念フレームワークでは、次のように記載されています。

(測定値の意味)
この測定値は、被投資企業に対する報告主体の持分額、あるいは投資額を表す。被投資企業の純資産変動に基づいて利益を測定する際に用いられるが、他の測定方法では投資の現状をとらえられないケースで利用されることもある。例えば予期せざる環境変化などにより、簿価が従来の意味を失う場合は、臨時の簿価修正手続として、この測定値が意味を持つこともある。(第4章29項 抜粋)
 

子会社に対する親会社の持分額や投資額のことですね。

当然ながら、子会社も企業活動しているわけですから、毎期の決算で経営成績がよかったり悪かったりと変動します。

その子会社の純資産額の変動を、親会社の貸借対照表(バランスシート)にも反映させましょうね!ということです。

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「被投資企業の純資産額に基づく額」を用いるケース

この「被投資企業の純資産額に基づく額」を測定値として用いる具体的なケースは、どういった場面が考えられるでしょうか。

例えば、市場価格のない関係会社株式の減損が挙げられます。通常、市場価格のない株式は、取得原価をもって貸借対照表価額とされます。

余程のことがない限りは取得原価のまま貸借対照表の資産の部に計上されています。

ところが、当該会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したときはどうでしょうか。引き続き取得原価で計上しては、実際の資産価値とかなりズレが生じてしまいます。

そこで、対処法として、相当の減額を行い、評価差額は当期の損失として減損処理されることになるのです。

減損処理した後は、実質価額が翌期首の取得原価となります。この実質価額が「被投資企業の純資産額に基づく額」のことだと思います。

実質価額の説明をしていませんでしたね。

実質価額とは、

1株当たりの純資産額に所有株式数を乗じた金額

のことです。純資産額を基準に算出されるのが実質価額なんです。純資産額に基づいていますね。

このように、実質価額が著しく低価した市場価格のない株式や、他にも持分法が適用された被投資会社株式の測定で「被投資企業の純資産額に基づく額」は用いられています

 

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