不動産業界で働く人にとっては取得しておきたい資格の一つが宅建試験。宅建や宅建士、通称「宅地建物取引士」は毎年数多くの受験者が受ける最大規模の国家資格になります。
不動産の専門知識を得ることで、お客様に詳しい説明をすることができ、不動産業界は多くの企業が宅建資格の取得を推奨しています。
今回は、そんな宅建試験の基本情報や取得するメリットをご紹介していきます。
宅建とはどういう資格?
宅建士は、宅建物取引業者いわゆる不動産会社が不動産の売買や賃貸物件の仲介、建物の分譲など、宅建取得者にしかできない唯一無二の業務ができるようになります。
お客様には、不動産に関する知識がない人もいるために、不当な損害を招く恐れがあります。宅建は、お客様の不足する知識を補う不動産取引に必要不可欠な資格と言えるでしょう。
宅建の基本情報
宅建は、主に4分野(権利関係、宅建業法、法令上の制限、税・その他)から出題されます。
宅建は、数多くの受験者数を誇っている最大規模の国家試験の一つです。不動産業界に勤めている人であれば、取っていて損はない資格と言えるでしょう。
出題形式 | 四肢択一(マークシート) |
出題範囲 | 権利関係、宅建業法、法令上の制限、税・その他 |
試験時間 | 120分 (権利関係:14問、宅建業法:20問、法令上の制限:8問、税・その他:3問) |
試験会場 | 47都道府県(全国) |
受験料 | 7,000円 |
出題範囲は主に4分野に分かれていますが、その4分野に中にもそれぞれの項目が設定されており、中途半端な勉強では合格することは難しいでしょう。
宅建には5点免除という制度が存在します。5点免除とは本試験において46問〜50問の問題を免除することができるというもの。その分合格率のアップや時間の短縮といったメリットがあります。
ただ、この制度を使用できるのは一部の人のみであり、「宅地建物取引業者に就いているか」「従業者証明書を持っているか」の2つの条件を満たす必要がああります。
この2つの条件に当てはまっている人は登録講習を申し込み、終了試験に合格した後に5点免除の申請を行ってください。もちろん、正社員ではなくアルバイトや派遣社員でもOKです。
出題範囲について
4分野に関しては以下の通りです。
①権利関係
錯誤、総裁、請負、保証、贈与、連帯債権、時効、弁済、代理、債務不履行、契約….
②宅建業法
免許基準、宅建業の定義、広告の規制、報酬、監督、罰則、営業保証金…
③法令上制限
農地法、都市計画、事後届出、道路制限、高さ制限、その他法令制度…..
④税・その他
土地、所得税、固定資産税、地価公示法、印紙税、登録免許税….
宅建を取得するメリット
上記にも述べている通り、資格取得することによって宅建士にしかできない独占業務をすることができます。重要事項の説明・重要事項説明への記名押印・契約内容書面への記名押印の3つの業務があります。
お客様の不正や不当な損害が起きないように取引に関する重要な知識を説明し、適正な取引が行われるようサポートします。
また、収入アップに繋がるのも宅建資格を取得するメリットの一つと言えるでしょう。宅建の資格を取得した方に資格手当を支給するのはもちろん、役職手当を付与されることもありますので、昇進することも不可能ではありません。
それほど不動産会社にとって宅建に関する知識は必要不可欠な要素であり、宅建士がいなければ不動産会社は成り立たないでしょう。
もちろん、就活やキャリアチェンジにも非常に有利です。
宅建の合格率は?
近年、毎年約20万人が受験する宅建の資格は70%が合格ラインになります。そして合格率が15%〜20%です。
難易度はやや高く、合格率は他の国家資格に比べて高いように感じますが、決して簡単な試験ではないことがわかります。毎年20万人程度の受験者で合格が2万〜4万人ですからね。
勉強時間も300時間〜400時間ほど必要となりますので、しっかり試験に備えた勉強が必要になります。
宅建を取得しても意味がないと考える人は少なくない!?
宅建を取得することによって、上記のメリットが存在する一方で資格取得しても意味がないと考える人も少なくはありません。
そのように思われている理由がこちらです。
- 年収が上がるわけではない
- 昇進できる(ステップアップ)と限らない
- 日常生活で使用できるわけではなく、学んでもすぐ忘れる(暗記系試験であるため)
確かに、資格を取得しても年収アップや昇進できるわけではありませんが、これらは他の資格にも言えることです。
資格はあくまで仕事を円滑化させるためのものなので、資格をとれば年収をあげられるなんてことがあれば、誰でも資格取得のために必死こいて勉学に励むよいうになりますし、競争という面でモチベーションも上げられないでしょう。
資格が全てというわけではなく、資格以外の面でスキルも必要になります。営業であればコミュニケーション力、広告業界であればデザイン力、IT業界であればロジカルシンキングなど、上げなければならない能力は数多く存在するんです。
学んでもすぐ忘れてしまうという面に関しては、不動産業界で日常的に使用したい人のみ取得するのが好ましいでしょう。なんとなく取得したとしても知識が頭に入っていなければ、いざ不動産の仕事をしたとしても資格を持っていない人とさほど差は感じられないですからね。
おすすめの宅建資格参考書
【TAC出版】みんなが欲しかった!宅建士の教科書[スマホ学習対応(例題付)2022年度
イラストや図解を用いてフルカラーで徹底的に解説しており、スムーズな勉学を可能にしています。また、イラストなどでわかりにくい部分は写真を使ってわかりやすく解説していますので、有意義に学習することができるでしょう。
テキストだけでなく、実際にされるような問題を分野ごとに例題で出題していますので、実践演習もしっかりと取り組めます。
問題集が不足していると感る人であれば、問題集を新たに購入し実試験に向けて勉強するのも一つの方法です。
【東京リーガルマインド】2022年度 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト[無料講義動画付]
宅建は、出題範囲が多い分数多くの分野を習得する必要があり、多くの勉強量が必要なために勉強に飽きてしまう、無理だと感じ諦めてしまう人も少なくはありません。
このテキストは、試験の全体像を掴めるよう細かい点まで改善し切ったわかりやすい参考書になります。このテキストを購入すれば、宅建士である友次講師が丁寧に解説している20本もの解説動画で学習できますので、より深く理解することが可能です。
また、宅建士試験の勉強法も伝授していますので、その勉強方法にしたがって行えば難関資格合格に近づけることができます。
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とにかく問題を解きまくりたいという方はこちらの参考書。
東京リーガルマインドが毎年のように予想問題集として出版しているものであり、実際に的中させている問題集となります。
本格的に実試験のような問題を受けることができ、4回分もの模擬試験が搭載されていますので、試験の直前に受けることで自分の実力を把握するだけでなく、苦手な分野や得意分野を改めて発見することが可能です。
ただ、曖昧な状態で模擬試験を受けても出来が悪く、モチベーションの低下を招く恐れがありますので、しっかりと準備した状態で問題集を解くようにしましょう。
まとめ
今回は、宅建についてご紹介してきました。
宅建は合格ライン70%、合格率15〜20%と決して簡単な試験ではありませんが、しっかりと準備していれば合格することができます。
宅建のメリットは以下の通りです。
- 宅建士にしかできない重要事項の説明・重要事項説明への記名押印・契約内容書面への記名押印の3つの業務を独占できる。
- 就活やキャリアチェンジに最適
- 資格手当・役職手当が受けられる
- キャリアアップの可能性
宅建の資格を取得し、独占業務をすることでモチベーションとともにキャリアのアップを目指してみてください。
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