少子高齢化から数多くの企業が人材不足に陥っている中で、労働生産性を高めることが非常に重要な要素の一つです。
インバスケット思考は、タスクや案件を制限時間の中でこなすことが試されるビジネススキルトレーニングのことを指します。
今回は、そんなインバスケット思考の活用方法や考え方をご紹介していきます。
労働生産性を高めるために必要不可欠な「インバスケット思考」
労働人口の減少により、数多くの社員を確保できないこの時代に、労働生産性を高めるのは非常に重要な要素になってきています。
そこでおすすめなトレーニング法がインバスケット思考です。
インバスケット思考とは?
インバスケットは日本語で「未処理箱」と言い、与えられた仕事を高クオリティでこなしていくための思考法(トレーニング)の一種です。
1950年代でアメリカ軍の教育機関によって開発されたのがはじまりだと言われています。
人命救助などスピードやクオリティーが求められている軍隊にとって、迅速に自分の頭で考えで的確な行動が必要とされてきました。
このような考え方をビジネスへと転換し、今では人材育成のトレーニングの一種として用いられています。
タスクや案件を全て受身でこなすのではなく、自分の頭で考え自らが仕事の優先順位を測り、業務を遂行する力が必要です。
インバスケット思考は業務効率化を人やモノに頼るのではなく、自分の判断で行う必要な思考法となります。
インバスケット思考を行う際のルールとは?
上記にも述べましたが、インバスケット思考はビジネストレーニングの一種です。
タスクや案件など、あらゆる仕事の場面を想定し、実際に思考を鍛えることで、考え方を一転させて業務のクオリティをアップさせるというのが狙いです。
以下がインバスケット思考を行うときのルールです。
- 架空人物を設定して実際になりきる
- 制限時間の設定
- 自分自身が対応できない多くの課題を解く
- 絶対的な回答がなく、自由に答えを導き出す
多角的視点で物事を捉える必要があり、架空人物を設定して実際に起こりうるビジネスシーンを的確にスピーディーに判断する必要があります。
また、答えを導き出したとしてもそれに対する根拠や過程を明確にしなければ意味がありません。
こちらの能力は各部門のリーダー的存在になるために必要不可欠な要素であり、組織を動かす力が期待できます。
インバスケット思考を持つための重要な考え方【重要性×緊急性】
インバスケット思考では、業務の判断と優先順位の区別が必要になります。
それでは、どんな基準で判断や優先順位を選別しなければならないのでしょうか。
それが「重要性」と「緊急性」です。
業務を行う上で、ビジネスにおいて非常に重要性が高いものや納期などの緊急性が高いものがあります。
こちらの2つの軸をもとに考えていくことが必要になってくるでしょう。
例えば、右上の重要性が高く、緊急性も高い業務であれば最優先に進めなくてはなりません。
また、左下の緊急性・重要性ともに低い業務であれば優先順位の位置付けとしてはかなり下ということになります。
このようなグラフの位置付けを的確に行うためのトレーニングがインバスケット思考なのです。
インバスケット思考によってもたらされる影響【メリット】
インバスケット思考で業務を行えるようになると、物事の捉え方や判断力が上がり、実績や余裕が持てるようになります。
判断力の向上【優先順位の確保】
新入社員はもちろん、ある程度仕事経験のある人でさえ、どの仕事を優先しなければならないか、的確な判断ができないことがあります。
納期が迫っている中で、誰かに業務や判断を委ねることはできないことがほとんどでしょう。
インバスケット思考は、このような判断のスピードや優先順位の確保を的確に行うことで、業務の効率性を上げることができ、評価や業績につながります。
問題解決のクオリティ
課題解決能力は、原因や理由を追求するロジカルシンキングも必要な思考スキルですが、インバスケット思考も欠かせないでしょう。
インバスケット思考では、仮説や自問自答をすることで本質的な課題の発見や今後の働きにも優位性をもたらしてくれるでしょう。
多角的な視点で物事を判断
インバスケット思考のトレーニング方法として特徴的なのが、あらゆる場面を想定して行うこと。
さまざまなビジネスシーンで当事者意識を持って課題解決に打ち込むことができるので、業務上のミスや漏れを防ぐことが可能です。
まとめ
今回は、インバスケット思考についてご紹介していきました。
想定外な課題やタスクの発生が起こりうるビジネスで判断や優先順位を謝ってしまうと、ミスや納期もれなどの大失態に繋がりかねません。
そうならないためにも、インバスケット思考で大切な「重要性」と「緊急性」の2軸をもとに物事を捉えられるようトレーニングを行いましょう。
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